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「やった…やったぞ……俺達が…! 俺達が世界一だ!!!!!」
高らかな叫び声を上げ、マウンドの上で両腕を高く掲げ微動だにしない嵐士の元へと、日本選手達が駆け寄って来た。
世界戦連覇ならずとなったアメリカの選手達は悔しそうな表情を浮かべながらゆっくりとグラウンドを後にする。
そんな彼等を後目に
マウンド上では集結した日本の選手達が抱き合いながら№1のポーズを空高く掲げ、歓喜に沸いていた。
そして
「ほら、監督!」
「大丈夫だよ! 俺は!!」
「大丈夫とかそういう問題では無いんスよ!」
「そうそう、これは義務ですから」
「やっておかないと締まらないじゃないですか? それよりも…なんだかんだ言っておきながら、後々になってあの時してもらえば良かったって後悔するんでしょ?」
「うん、短い付き合いでしたが良くわかります、監督はそういうタイプですからね」
「イヤ、どういうタイプ!?」
自分以上に大人な発言をする選手達に強引に連れられた全日本の監督はグラウンドの真ん中で
大観衆に見守られながら日本中に流れるライブ中継の中
日本選抜チームの選手達によって胴上げをされた。
「…嵐士、すばる、次はプロの世界で会おう」
世界戦を終え帰路につく中、大地は嵐士とすばるに言った。
「あぁ、そうだな。……指名されるかわからないけれど」
そして、既にプロ志望届を提出する事を決めているすばるは答える。
「大地、次は負けねーからな!」
「何を言ってるんだ? すばる。それは無理だよ。だって俺はこれからもずっとオマエとの勝負には勝つつもりでいるんだから」
「なんだとッ!?」
「「ハハハハッ!!」」
だが
「ゴメン、俺はプロへは行かない」
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