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嵐士は相当過酷な練習そして鍛錬が必要になるであろう、右でも左でも投げられる投手を目指す事を決めた。
そして
スライダー、カーブ、フォーク、シンカー(スクリュー)、シュート、と言った全方向への変化球を習得しよう。その他にもスプリットやカットボール、スラーブ、パーム、ナックルカーブにナックル等、出来れば本に載っている様な全ての変化球も極めよう。
後は、習得するのは一番難しいかもしれないけれどあの球も…。
これらを全てマスターし、そして甲子園の切符を掴み…優勝してみせる。
嵐士は右拳を強く握り、決意に満ちた眼を輝かせながら
テーブルへと戻り、残りの朝食を食べた。
そして朝食を終えた嵐士は、快晴と一緒に夕暮れ時まで甲子園の流れるテレビの前から離れる事はなかった。
「あら? 嵐士も野球好きだったっけ?」
突如、高校野球に興味を持ち始めテレビの前から1日中離れなかった次男に対して母親は問いかけた。
だが
この年齢での自分の口調がわからなかった為、母親の質問に対して嵐士は無言を貫いたのであった。
その夜の事
「ただいまー」
「あら、アナタ、お帰りなさい。あれ? 快晴達へのお土産?」
「あぁ、明日は土曜日で仕事が休みだからな。そろそろ快晴達に野球を教えようと思って買って来たんだ」
偶然にもこの日の夜は嵐士の父親が、快晴と嵐士に野球の基礎を教える為にとカラーバットとカラーボールを買って仕事から帰って来た日であった。
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