二投

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「小学生の頃は少年野球を習っていたんだけどなぁ。その後もきちんと野球を続けておけば良かったよ。でも仕方が無いか、当時は対して野球は好きでは無かったし…」  嵐士は眼を閉じ幼い頃を振り返った。  野球好きで高校野球の経験もあり就職してからも社会人野球に没頭していた親父。  自分と自分の兄をプロ野球選手にしようと、物心付く頃からカラーバットとカラーボールで野球の基礎を教えてくれた。  兄は野球が大好きで、親父が仕事から帰って来ると親父と一緒にオリジナルな練習をたくさん熟してきた。  そのおかげか小学4年の頃には頭角を表し、小5、小6と少年野球チームではエースで四番バッター、そして主将。  中学でもエースで主将を務め、その後進学した強豪校では1年の秋からレギュラーになり、2年の夏では上級生を押し退け、四番バッターを任される程に成長した有能選手。  だが、その兄の力を持ってしてもその高校は、地方予選を勝ち抜く事は出来なかった。    もう一つの優勝候補の高校に、3年間勝つ事が出来なかったのだ。
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