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三投
窓から差し込む陽の光が嵐士の顔を照らす。網戸にしてある窓の外からは小鳥達のさえずりが聞こえて来る。その綺麗な鳴き声が絶好の目覚まし時計となり、布団の中で眠る嵐士は眼を覚ました。
アレ…? 俺って昨日布団の中で寝たのか? 寝る直前の記憶が思い出せない。確か高校野球を見終わって…。ん?? その後どうした? …何かおかしいな…。
嵐士は布団に入り仰向けの状態で天井を見ながらぼんやりと考え込んでいた。
そこで嵐士は違和感に気付いた。
ッ!? ココはどこだ!? 俺の家では無い! 天井が違う? 良く見ると壁も窓の位置も違う! これは一体…? アレ? この場所って…。
嵐士があれこれ考えていると今自分がいるであろう部屋のドアが開く音が聞こえ、更に自分に近づく足音も聞こえて来た。どうやら誰かが部屋の中に入って来たらしい。
「あら、嵐士起きてたの~?」
甘ったるい声で話しかけて来ながら自分の顔を覗き込んだのは見知らぬ女性だった。
…この女性は誰? 恐らく20代位だと思うけど、俺に彼女なんて……
いない事は俺自身が一番良く知っている。 …では無くて!
嵐士は女性の顔をまじまじと見詰める。
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