三投

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 ん…? んん?? あッ! わかった…。  どうやら嵐士は今自分と目が合ってるこの女性が誰なのか、その正体の答えに辿り着いたらしい。  この女性は    嵐士の母親だった。    …やっぱりこの目の前にいる人はおふくろだよ…な? なんとなく面影あるし…イヤ、そんな事より完全に! どう見ても俺より若いよね!? 何? 何なのッ!? なんで若返ってるの? 「あらあら、どうしたの? 嵐士~。そんなに顔を動かして。何か気になるの~?」  やめんかい!!! ………イヤ、本当に。マジで止めろ。それ以上顔を近づけるな!! 「あ! お湯を沸かしていたの忘れてた!!」  嵐士の母親は突如軽くて大きな声を上げながら立ち上がり、そして嵐士の寝ている部屋から小走りで立ち去って行った。  危ね~…。間一髪だったな。  嵐士は冷汗を流しながらホッと一息をついた。が、すぐに頭を働かせ色々と考えを巡らせる。  …そんな事より……この場所は…引っ越す前の実家だよな?  俺が20過ぎの頃に親父が別の場所に家を買ってそっちに引っ越した。だからこの家は今は別の家族が暮らしているはずなんだが…。  一体どういう事なんだ!?
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