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実は確かにそんな気がした。あまりにも久しぶりだったから。けれど、それは裕子のことじゃない、この手のドラマのことだった。
「勘違いするな、久しぶりにこんなの見たからそれが懐かしかっただけだ」
ジェイの目に嫉妬が煌めいていて、それがあまりにも綺麗に見えた。
セックスの回数が増えた分、ジェイには前にも増して色香が漂うようになってきた。本人には自覚が無いが。
気がつけば腕の中でジェイが暴れていた。
「やだ! こんなのをキスで誤魔化さないで!」
「違う、お前があんまり綺麗だから……」
「嫌いだ、蓮なんか!」
その口を塞いだ。落ち着いてきたのを感じて唇を離した。
「嬉しいよ、妬いてくれて」
「ホントにドラマが懐かしかっただけ?」
「そうだよ。言われるまで彼女の顔も思い出さなかった」
「……分かった。信じる。俺しか見ちゃ嫌だ」
独占欲丸出しで…… それが何より可愛らしい。
「分かってるよ、お前だけが恋人だ」
恥じらうように俯いたジェイの頬にキスをして立ち上がった。
「シャワー浴びなきゃ。迎えが来ちゃうからな」
ジェイはビデオ屋に行く前にもうシャワーを浴びている。蓮は支度を始めた。
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