Dear My Puppy

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「こっちが自分の車なんで、こっちで待っててもらえますか?荷物置いてきます」 別の車の助手席に乗り換えて、蜂谷くんが戻ってくるのを待った。 ドキドキしすぎて心臓が爆発しちゃうかもー。 あたしなんていつもイケメン見る専門だから……。 待っている途中、一人の女性が少し離れたところでこっちを見ているのに気付いた。 咄嗟に会釈をすると、その女性は眉をひそめて去っていく。 この会社の人間じゃないから…不審者に思われてる!? そこへ蜂谷くんが戻ってきた。 「お待たせしてすみません!どうかしましたか?」 「い、いえいえ!こちらこそすみません!!」 あぁ…意味わかんないし、蜂谷くん笑ってるし…。 「これ、リンゴ酢なんです。疲れてる時はいいですよ。山辺さん、黒酢好きって言ってたからこれも好きかなって」 「えっ?そんな事覚えててくれたの?嬉しい」 本当に嬉しくて、顔がにやけちゃう…。 「……あ、じゃあ家まで送っていいですか?」 「そんな!悪いよ!駅とかでも…」 「……僕が送りたいんですけど、ダメですか?」 きゅぅんっ 「……じゃあ、お願いしてもいいかな?○○なんだけど……」 「あ、僕の家から近いです!僕××に住んでるんです」 車中はずっと話をして、本当に楽しくてあっという間。 色々と新しい情報を手に入れたし。 「じゃあ…送ってくれて本当にありがとう。あ、今度何かお礼するね!」 「そんな、大した事じゃないですから!僕も楽しかったんで」 「あたしも!そう言ってくれて嬉しいな」 「…あ、あの!山辺さん!」 「ん?何?」 「ユカ?今帰って来たの?」 「あ…お母さん…」 タイミング悪…こういう時、実家って嫌。 「もしかして送ってもらったの?せっかくだから上がってもらったら?」 「お母さんてば!蜂谷くん、ごめんね」 「い、いえ!…じゃあ、帰ります。失礼します!」 蜂谷くんはお母さんに会釈をして、車に乗り込んでいく。 車が見えなくなるまで見送った。 ……さっき何言いかけたんだろう?
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