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「まさや君に会いたかったからよ」
「ふ~ん……そうなんだ」
我ながら言い答えを返す事が出来たと思った。
「ねぇ、より子先生。今の答えは上手い事答えられたと思った?」
「お……思ったわ」
「ふ~ん……そうやって男をたぶらかしてんのかなぁ?」
まさや君の質問がエスカレートしていくのを感じた。
私の中では、まさや君の質問に対しては嘘をつかないというのが絶対的なルールなのだ。
知識不足でしっかりした答えが返せない事もあるけれど、子供達が素直に育つ為に、まずは自分が素直でなくてはいけないと日々思っている。
「ねぇ、より子先生。先生は嵐の中で誰が好き?」
「た……竹田君よ」
「ふ~ん……脱退した子かなぁ?」
私は嵐を知らない。嵐といえば山嵐という柔道技くらいしか知らないが、まさや君の質問で一番やっちゃいけないのが、知らないという答えだ。
「ねぇ、より子先生。先生が昨日食べていたザリガニはどういうつもりなの?」
「冗談のつもりよ」
「ふ~ん……そうなんだ」
まさや君は幼稚園児ながらSNSをやっている。
勘に触るような事を言ったら、何を拡散されるか分からない。
「ねぇ、より子先生。先生は傍若無人って言葉を何回言った事がある?」
「5回くらいかしら」
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