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「本当のことをお教えしましょうか」
マイナが言う。
「わたしは、実は自ら望んでこの国に伺ったのです。故国のスメラオミを離れて世界を見たかったの。だから、全然寂しくなんかないんです」
サリアには考えられないことだった。この国を出るのかと思うと、覚悟は決めたにしても、たまらなくさみしい。
「世界は広いですよ、サリア様。わたしたちが思っている以上にずうっと。きっと、わたしたちにはね、サリア様、この広い世界でいろいろな素晴らしいことが待ち受けているはずです。それはひとつところにいることによって手に入るものよりももっとステキなものなのではないでしょうか」
ふと心に灯りがともるような気持ちになった。
本当にそうだとしたら、どんなにかよいことだろう。
「マイナ様のように強くなりたいです」
「サリア様はお強いですよ。わたしには分かります」
そう言って微笑むスメラオミ王女は、はっとするくらい魅力的だった。
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