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第2話「亡国のきわの決断」
戦があった。
大きな戦である。
それはサリアが住むここヤハン大陸の中部でなされたものである。
ヤハンは四国に分かれており、一の大国と、三の中小国があった。
大国がスメラオミである。
他三国というのが、コオリ、ナナハラ、そしてサリアが住むシシュハであった。
スメラオミは、大陸の制覇を野望とし、三国を圧殺せんとした。
スメラオミの王は武人でありまた魔法を操る魔導士でもあった。
その強さは筆舌に尽くしがたく、ついに、「魔王」という古称を得て、猛威をふるった。
しかし、スメラオミ王は負けた。
コオリ、ナナハラ、シシュハのそれぞれの王家の王子王女が、三人の「勇者」となって、魔王を打ち倒したのである。
戦後処理において、スメラオミは、その領土を三分の一にまで縮小され、莫大な賠償金を課された。
スメラオミの国力は、以前の5分の1以下となった。
戦争をしかけた国がなくなり大陸は平和になったかのように思われたが、それはひとときのこと、すぐに別の戦が始まった。
コオリとナナハラが盟を結び、シシュハに敵対したのである。
これは、シシュハにとっては、寝耳に水であった。
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