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「よし、じゃあこうしよう」 職員のおじさんは、手のひらに拳をポンと叩いた。 「君が部屋を見つけるまで、おじさん家で預かってあげるよ。でも、食事に散歩、犬の世話は全部、君がやるのが条件だ。どうだ?出来るか?」 おじさんは、にこりと笑って言った。 「ありがとうございます!やります。そして早く部屋を見つけます」 僕は何度も何度も、おじさんに頭を下げた。 後で聞いてみると、やっぱりおじさんも犬が大好きなのだ。 それからしばらくして、ペット可の部屋が見つかった。 会社の先輩にカーマインの事を話すと「うんうん。いい話だなあ。俺の知り合いに犬好きの世話人がいるから、聞いてみてやるよ」 という訳で、裏庭が少しある古い文化住宅だけど、格安で借りる事が出来た。
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