愛犬物語 ーさよならは言わないでー

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ラブラドール・レトリーバーは、生後3年で成熟するらしい。
僕が小5の時には、カーマインも大きな成犬へと成長していた。でも人懐っこさは、あの頃のままだ。

散歩に出かけると、当然他の犬とも出くわした。
しかし、相手の犬から吠えられても、カーマインは一言も吠えない。
「何だよ、お前怖いのか？」と僕はよく、けしかけたものだ。
そんなある時、車道で立ち往生している仔犬を見つけたカーマインは、一目散に駆け出して仔犬をくわえて助けた事がある。

カーマインは臆病ではなく、本当は優しい犬なのだ。

そんなある日曜日、思いも寄らない出来事が起こった。

両親が買い物に隣町まで出かけて、僕とカーマインは留守番をしていた。
僕はテレビを見ながらお菓子を頬張り、カーマインはソファで目を閉じていた。

夜も7時を回り、2人の帰りが余りに遅いので心配になっていた時だった。
電話が鳴り受話器を取った。
親戚の叔母さんからだった。