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それからしばらく経って、叔母さんが車で迎えに来てくれた。
僕とカーマインは車に乗り込み、病院へ向かった。
犬は病院に入れないのでカーマインを車に残し、叔母さんと病室へ駆け込んだ。
病室に入るとお父さんとお母さんは、顔まで白いシーツで覆われていた。
渋滞での追突事故に巻き込まれたのが原因らしい。
僕は2人にすがって、ただ泣いていた。
後で聞くところによると、他にも犠牲者が出た大惨事だったと言う。
僕が目を真っ赤に晴らして車に戻ると、カーマインはただ僕を見つめるばかりであった。
それから、僕をどの親戚が引き取るのか、それとも孤児院へ入れるのか、話し合いがあったらしい。
ただ、どちらにしても犬は側に置いておけない。
保健所に引き取ってもらうと言われた。
「嫌だよそんな!カーマインは友達なんだ!離れたくないよ。叔母さん、家で飼ってよ」と僕は駄々をこねた。
「わがまま言うんじゃないよ。アパートで動物は飼えないし、そんな余裕あるもんか」叔母さんは困った顔をして僕をなだめた。
僕はただ、カーマインを抱きしめて泣いていた。
今思えば、子供のわがままが通るはずもなかったのだ。
そんな次の日の朝、僕が目を覚ますとカーマインが居なくなっていたのだ。
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