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それから僕は、朝晩と食事をやりに公園に通った。 アパートで飼うわけにもいかない。 休みの日は、公園の水道からホースを引っ張ってきて、身体を洗ってやった。 皆んなじろじろ見ていたが、構うもんか。 それから僕が来る度に、カーマインは尻尾を振って待ち構えていた。 でも、昔に比べると食事も少食になったものだ。 お互い、歳をとったという事だろう。 そして1ヶ月程が過ぎた頃、いつもの様に朝ご飯を持って公園に行った。 しかし、そこにはカーマインは居なかった。 あれ?どうしたんだ? 僕は公園中を探した。 すると、散歩をしているおじさんが「ああ、あの犬ならさっき、保健所の人が連れて行ったよ。何でも苦情があったらしい」と話してくれた。 「うそ?」 僕は、会社に体調不良と電話を入れて、大急ぎで保健所に向かった。
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