疑惑の真相

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  『最初から、ちゃんと話してほしかった』 『ごめん…亜紀に余計な心配かけたくなくて…』 『でも、話してくれてなかったから、結局こういうことになったんだよね?』 『…そう、だけど』 『抱きつかれた時にリップがついたって。上着も預けたりせず、持って帰って説明してくれてたらこんなことにはなってなかったでしょう?』 そう問うと、大地は黙りこんでしまった。 別に、反論できないよう追い詰めたいわけじゃない。 どうすれば良かったのか。 それに気付いてほしくて、あえて疑問符をつけたのだ。 だけど大地は黙ったまま、何も答えてはくれない。 たった一言でいい。 “そうだな”って。 “もう今後は絶対に隠し事はしない”って。 ただ、そう言ってほしかっただけなのに。 『だからもう…これからは、隠したりせず何でも話してね』 静かな空気に耐えきれず、返事を聞く前に私の方から先にそう言ってしまい…そして大地は、そんな私の言葉に「うん」と短い返事をした。
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