とおりゃんせ

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「お前何も聞こえないのかよ!?」 私はおびえる徹に微笑みかけた。 「何も?聞こえないよ」 「だって、歌が・・・歌がきこえるんだよ」 徹はすっかりパニックになって、ベランダの方に走っていった。 私と子供達はそれを追いかける。 「とおりゃんせとおりゃんせ」 私も子供達と一緒に歌い始めた。 「いきはよいよいかえりはこわい」 子供達も徹に群がって歌い続けた。 そうして徹がベランダの縁にたったとき、 子供達は凄い力で徹を引きずりあげると 徹を階下に捨ててしまった。 「こわいながらもとおりゃんせとおりゃんせ」
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