平成最後の

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平成最後の夏、そんな言葉がSNSを飛び交っていた かく言う俺、翔太もその言葉を振りかざして久々に高校時代の友人にラインを送ろうとしていた。 『平成最後の夏!だしさ、集まろうぜ!!』 5人のライングループ。高校時代の部活メンバー。 でも俺がほんとにオッケーを貰いたいのは実は一人だけなんだよな… そんなことをぼんやり思いつつ震える手で紙飛行機のアイコンを押す。 およそ一年ぶりにトーク画面が更新された。 『平成最後の夏!だしさ、集まろうぜ!!』 久々に見たグループライン。 思わず笑いがこぼれる。 「お前が会いたいのは愛子ちゃんだけだろ」 翔太の顔を思い出す。記憶の中と違ってアイコンの中のやつは大学デビュー気取りか茶髪で毛先を遊ばせているが、この髪型が愛子ちゃんの大好きなアイドルを意識していることを俺は知っている。 「サシで誘う勇気がないんだろうな?チキンだったし。」 グループラインにわざわざ載せた真意を邪推しつつ援護射撃のつもりで俺も返す。 夏の思い出づくり手伝ってやるか。 『翔太にしては名案!!とりあえず、花火大会いこうぜ!!!』
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