しんどいから。

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「…お前、地方大会、優勝できると思ってんのか」 「思うよ?」 「本当か」 「本当。桜介ならできる」 あたしは、知っている。 彼が毎日夜遅くまで練習していたことも。 近くのバッティングセンターで練習していることも。 毎日走り込みをしていることも。 それこそ、土日関係なく、毎日、毎日。 ツバを呑みこみ、喉を鳴らす。 彼は、そんなあたしに「…そうか」というと、手の甲で鼻を軽く啜る。 そして「しゃーないなぁ」と大きく息を吐きながら言った桜介は 「…見せに行くのしんどいから、甲子園に連れてってやるよ」 雲一つない快晴に負けないくらい、輝かしい笑顔を浮かべた。 END 「そーいえば桜介の家の近くにもバッティングセンターあるじゃん? 何でこっちのバッティングセンター来てんの?」「行き帰りの道のりで体力着くだろ」「あ~、なるほど」「(あ、こいつ鈍感な上に単純だわ)」
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