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凛は当然のことしか聞いてないのに、ビックリしたようにその人は凛を見返してきた。
「え……だって……関わりたくないじゃないですか」
さっきの饒舌さはどこへやら、目を泳がせながらおどおどと言った。
「ふーん」
凜は、じ、とその女性を見つめる。
彼女はさっと目をそらした。
凛は周りに目をやった。
無邪気に遊んでいる子どもより、泣いて親に慰めてもらっている子どもの方が明らかに多かった。
――関わりたくないから、誰も何も言わず、子どもがケガを負わされるのを黙って見てたの?
マ ジ で ?
凛は声をかけてきた女性に視線を戻すと、すぅ、と軽く息を吸い込み
「ええーー! 子どもがケガさせられてるのに黙って見てたんですかー!? あっりえなーい! 私だったら無理ですわー! 注意しないとああいう子は止めないでしょう! ちゃんと周りが注意しなきゃダメですって! 次からはちゃんと言ってくださいね、関わるのが嫌とか敵になるのが嫌とか、嫌な役になりたくないとか思ってる間に子どもが大けがした方がそれこそすっごい嫌ですよ!」
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