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ピタリ、巽の台詞が止んだ。全身を真っ赤に染め上げて、羞恥に震える昂太の腰を撫でてくる。自分からなんでもすると言ってしまった手前、抵抗はできない。
巽の腹に手を置いて、いいと言われるまで腰を落とす。かかる吐息に視界は潤み、これからされることを予想して心臓が早鐘を打ち始めた。
自分でも詳しい内容なんて忘れていた、ラブレターの中身。まさかそれを暗記しているとは思わない。恥ずかしいが、ほんのちょっぴり嬉しかったりもした。一度や二度目を通したところで、普通は憶えていられないものだ。
「ぅ、ン……っ」
さっきまで巽が舐めていた丸い球体が、潤滑剤の力を借りて難なく入ってくる。予想以上に大きなそれは内壁の締め付けにも負けず、まだ割れる様子がない。
このまましばらく待たされるのだろうと思っていたが、巽から耳を疑う台詞を寄越されて絶句した。
「今……なんて」
「返して? ポーション」
「そん、な……だって、これもう」
「うん。だから、その口から俺に口移しで頂戴?」
理解をし損ねそうになる。言葉にならなくて、首を必死に横に振った。そんなことできない。赤いのか青いのか分からない顔色で、もう本当に泣いてしまいそうだった。
なのに、巽は許してくれない。舌先で襞をつついて、すぐそこに隠れているポーションを寄越せとせがんでくる。
「昂太……ほら、ここに力入れて」
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