参日目 1

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参日目 1

 朝方まで考え事をしていたせいで、頭が重たい。  肝心な問題は二つある。  一つ目は、あの陰陽師が誰なのか。そして二つ目は、何のために島を滅ぼそうとしているのかだ。  手段は分かっても、目的が分からなければ止めようがない。そういう意味では、僕らはまだスタートラインに立ったところだ。そしてこのマラソンには、あと8日というタイムリミットがある。しかも、僕がこの島に居られるのはたったの2日半だ。 「それまでに、何とか当日の敵の場所の見当くらいはつけておきたいな......」  そうすれば、最悪姫が警察に適当な通報でもすれば計画は壊れる。現状、これが僕たちにできる最適なプランに思えた。  トーストを少し齧り、眠気覚ましにコーヒーを二、三杯飲み干して顔をぱんぱんと叩いただけで朝食を終える。  もともと少食だからそんなには怪しまれなかったと思うが、「妖怪」島津の眼だけは注意しなければならない。
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