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「.......それで、彼がこの島で特に執着のある場所はありますか?特に、南西方向で」
スマートフォンに地図を表示させ、村長に示す。
村長は落ち着きを取り戻し、目を細めながら考えるようにそれを見て、島の中心にやや近いところを指した。
「南西.......それなら多分、この廃校だろう。ここは、彼が通っていた高校の跡地だからね。......だが変だな。どちらかと言うと彼は、もうこの高校に近づきたくもないと思っていたが」
「だからこそ、敢えて島の終わりを見届ける場所にそこを選んだということかもしれません」
必要な情報は揃った。最後に村長に礼を言って、僕らは外に出た。
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