それは突然やって来た

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バックヤードも、ウォークイン(飲料冷蔵庫内)も暗い。特にバックヤードは窓がなく真っ暗です。スマホのライトを頼りにカップ麺を全部コンテナにぶっこみ、そのまま売場へ。陳列なんて呑気にしてる場合じゃありません。 飲料も最終的に箱ごとならべ、とにかく買いやすいようにしました。 午前十一時を過ぎるころには、店内の八割の物が売れてしまいました。 「うわーなんもねえー」 と苦笑いしながら帰っていくお客さんも出始めました。 私も正直、こんな勢いで物がなくなるとは思ってませんでした。 いやあ、びっくりしたー。 だいぶお客さんも落ち着き、レジスタッフも揃ってきたので、本来の仕事がない私は、藤子さんと明日の打ち合わせを済ませて帰宅することにしました。 疲れた~。 明日は何が出来るかなあ。 停電してたら何もできねー。 とりあえず残っていた飲料のいくつかとタバコをゲットし、チャリこいで帰宅です。 そういや余震も続いてるけど、家人たちは大丈夫かな。用意もしなかったけど、何か食べたりしてるかな? 心配しながら家へ入ると …… 全員ぐーぐー寝てました。 くっそーお前ら! 気持ちよさげに寝やがってえええ! ムカついたので私も寝ました。
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