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澄夜は車から降りて怪我をして入院していたとは思えないくらい、しっかりとした足取りで久しぶりに自宅へと踏み入れた。
一応、寝室まで着いて行くと、帰って早々に病院臭いと言って、着ていた服を脱ぎ捨て、ラフな格好に着替えた。
傷跡は勿論まだあるが、つい最近まで寝たきりだったとは思えないくらい、筋肉の衰えは感じられずしっかりとしている。
「…そんなに見られると恥ずかしいんだけど…今は、ほら、ずっと寝てたから少し見すぼらしくなっていると思うし」
「いや、むしろまだ鋼のような肉体をしてて驚いて見ちまってた。服、洗濯カゴに放り込んでくる」
「あー、ごめん、散らかして、俺が自分で」
「良い、怪我人は休んでろよ」
「もう、全然なんとも無いけど…ありがとう」
脱いだ服を集めて、洗濯カゴへと入れに行く。帰って来たら色々と曝け出して話し合わないとと思っていたのに、家に帰って来て向き合っていても他愛ない話題ばかりを話してしまう。
戻ると、澄夜はリビングのソファに座っていた。
「…なんか飲むか?酒はまだダメだけどな」
「ううん、大丈夫。それより話したいから、隣に座って欲しい」
促されて、影志は頷き、隣に腰掛けた。
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