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「俺…は、何でも良いから全部欲しい。優しく無くても欲望でも…、もう、澄夜が俺だけを見て俺だけを欲してくれてるって感じてぇんだ。早くっ…」
くれよ、と堪え切れない掠れた声で言い終わる前に、長い指を引き抜いて、澄夜は既に熱く硬い自身を影志とこれまで何度も身体だけはひとつになってきた場所に当てがって、入口の喰らうような吸い付きや中の熱さに迎え入れられ、やっと本当にお互いだけを身も心も結び付けられた。
澄夜が、影志が欲するままに、愛する人と向き合って繋がる。誤魔化しや誰かの代わりではなく。
影志に覆い被さる澄夜の瞳からはいく筋も、水滴が滴り落ちてくる。
今、影志の瞳を濡らすのと同じ理由だろう。
もう、言葉は要らなかった。
影志の頬を指先で優しく拭った澄夜の頬を、同様に影志も拭ってやる。
頭の横に放られた両手を繋ぎ合わせて互いを見つめ合えば、澄夜は自身をゆっくりと引き抜いて影志の好い所を出っ張りで抉るようにグッと突き立てた。
影志は今まで感じた事のない、繋がった場所から痺れて溶けてしまいそうな快楽に溺れそうになる。
澄夜もあまりの気持ち良さに直ぐにでも達しそうになって、奥歯を噛んで堪える。
「…ごめん。良過ぎて…」
もたないかも、と再び動く前に素直にそう告げてきたのに、
「ん、俺も…、けど…今日も、この先も、何度でも愛し合うんだろ?」
羞恥と悦びに真っ赤な顔で返せば、虚を突かれた表情をした後、破顔して、
「もちろん、ずっと、一生、何度も俺と愛し合おうね。影志」
返事をした。
返答通り、この日も何度も影志は啼かされる事となったのだった。
優しく包み込みたいというのも実行しながらも、声も精も枯れて啜り泣いて許しを請うまで愛と欲望を注がれて。
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