夏祭りと林檎飴

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「暇。もう十分もたったし。」 唐突に先輩が言って時間の経過を知る。 先輩といると、時間なんてあっという間に過ぎてしまう。 「もう、そんなに経ってたんですね」 「この際だし、二人で回ろっか」 「は、はい」 「なに?緊張してんの?」 「べ、別に!」 「あーでも、やっぱ回りたくないな」 「何でですか」 「みかんの可愛い浴衣姿なんか、他の男に見せたくない」 「何言ってるんですか?可愛くないです」 「ホントに襲いたくなるくらい可愛いから。みかんは」 玲斗先輩のばか。 いつも先輩が私に言う”可愛い”はドキドキを加速させる。 「キスしていい?」 「何でで…ん…」 好き。 先輩が、好き。 私と玲斗先輩のキスシーンを秋華と水上先輩が見ていたなんて、知らない。 二度目のキスは、林檎飴の味がした。
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