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月日は流れます。
マルクは3人の弟子を抱える棟梁になりました。
マリーは2人目の子供を産んでから貫禄が出て、「おかみさん」と呼ばれています。
8歳になったアンジェリカは3つ年下の弟、ポールの面倒をよく見るやさしくて活発な女の子に育ちました。
ペスは17歳、人間ならば90歳近いおじいちゃんです。
このごろは温かい暖炉の前にうずくまり、淡くにごった瞳をちろちろ燃える炎に向けたまま、ほとんど身動きしません。
身体もひと回り小さくなってしまいました。
紅葉が散る頃までは、震える足を懸命に動かして灯台へ出かけていましたが、冬が訪れるともう足が動かなくなったのです。
1週間前、ついに立ち上がれなくなりました。
「先生のところへ行くのか」
マルクが溜息混じりにつぶやくと、アンジェは、「あらパパ、ペスは休んでいるだけよ」と朗らかに答えました。
ペスはか細い息で、「そのとおり」と鼻を鳴らします。
春になって身体が温まったら、彼はまた、灯台へ行くつもりでした。
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