第1章 灯台守《とうだいもり》のパラディ先生

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先生の奥様が3年前に亡くなってからは、マルクの妻・マリーがお弁当を作って、毎日届けてくれています。 干し肉の他にも、たまにおやつの骨をくれるので、ペスはマリーのことが先生の次に大好きでした。 外はすっかり暗くなっています。 パラディ先生とペスは、吹き付けられた雨が窓ガラスを叩く音を聞きながら、ゆっくり食事を楽しみました。 秋も深まり、日が落ちると気温がぐっと下がるようになっても、油を燃やして四方に光を放つレンズの周囲は、ほんのりとした温かみがあります。 ペスは光に満たされた灯籠部でご主人と食事を楽しむのが、他のどんなことよりも好きでした。
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