第1章 灯台守《とうだいもり》のパラディ先生

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鉛色の雲から雪が舞い降り、村に冬が訪れた日、ケイン灯台は閉鎖されました。 パラディ先生は朝、急にベッドから起き上がれなくなり、そのまま息を引き取ったのです。 ペスに連れて来られた大工のマルクと妻のマリー、村の医者が先生を看取りました。 大勢の村人が参列した葬儀は、灯台の下で執り行われました。 ペスは黒い首輪をつけて棺の傍にすわり、主人の死を悼みます。 パラディ先生と共に村長の弔辞を聞き、交通省の役人が読み上げる感謝状を主人の代わりに受けました。
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