マリア

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マリア

 マリアのことをなんて言語化すればいいのかわからない。  今の彼女であれば、美人と言うのが適しているだろう。  高校三年生になり大人っぽい雰囲気がでてきた。絶世の美女は言い過ぎだが、学校一の美少女とは言っても良い。文化祭のミスコンテストでは一年、二年と生徒投票でミスに選ばれつづけた。今年もまず間違いないようだ。  マリアは見た目だけでなく、内面的にもかわいらしい人で交友関係は良好だった。休み時間を友人とともに過ごし、なんなら休日にさえ約束を交わして出かけたりする。美人なのに、くしゃっとくだけた笑顔をするので、近寄りがたさもないと多くの人に好かれていた。  勉強はそこそこで国語が苦手、スポーツは走るのだけ得意、美術はむずかしい、歌はちょっと上手い。マリアはそんな普通の十七歳の高校生として生きていた。  もう一つ、マリアについて特筆するなら、かっこいい恋人がいた。     
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