それをデートとは言わない

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 予想通り双子は注文ができず、店員さんを困らせていた。  俺が説明をしてもなかなか理解してもらえず、長々とそこで話し込んでしまった。  一般客がいなくて本当によかった。  学園生は、ここに生徒会がいることで自然とここを避けてくれる。まあ、そもそもここに興味を持つ変わったお坊っちゃんはなかなかいないのだが。  こんなの一般客がいたらいい迷惑だ。  店員さんが終始にこにこしていたのは双子の容姿のお陰だと思う。  他の奴等は、俺の説明をしっかり聞いていたのか、スムーズに買っていた。  まあ、葵だけは「適当に選んどいて」と言って俺に丸投げしてきたが。  ハンバーガー選ぶのも面倒なんですか。そうですか。  ほぼ全員が値段の安さに驚いていたことにイライラしてしまったのは仕方ないと思う。  これだから金持ちは。  お前ら空腹で死にそうになったことないだろ。  あれ本当にきついんだからな。 「「おーい!こっちだよ!」」  席をとったらしい双子が声をかけてきた。  だが双子はハンバーガーに興味津々のようだ。  すぐに目をハンバーガーに戻した。 「これ僕始めて食べるよ」 「オレも」 「私は食べたことがありますね」 「え、意外」 「五十鈴に連れ回されました。」 「なるほど」 「でもお前だってこれ嫌いじゃないだろう?」 「嫌いではないですが好きでもないですね。」 「……」  俺は好きなんだけどな。  でも侑李の凄いところはハンバーガーを食べることすら上品に見えるところだよね。  前に街でハンバーガーを食べたときは、容姿も相まって物凄く目立ってた。  侑李がその視線に気づいていない筈がないから、その時の居心地の悪さも原因かもな。  俺はその時、目立たないように変装していたから、それほど注目はされなかった。  侑李にも変装させればよかったとあとで後悔した。 「「おいしい!」」  全員が座った途端食べはじめた双子が声をあげた。 「うん、美味しいね」 「でもちょっと食べにくいかな~」 「そうですね……」  侑李は食べにくさにしかめっ面だ。  それでもやはりお坊っちゃんなだけあって、全員が上品だ。  この集団で某チェーン店とかに行ったら絶対に目立つ。  貸し切りで本当によかった。
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