それをデートとは言わない

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「で、どうやって分けるんだ?お前たちは一緒に乗るんだよな?」  もう完全に割り切って、俺は双子に問いかける。  だってこれに乗れば終わるのだから。20分程度ゴンドラに乗っていれば終わるのだから。 「「うん!」」 「じゃあお前たちは二人で乗るってことでいいんだよな?」  しかし双子は揃って首を振る。 「ううん、僕達二人だけじゃなくて、」 「ちーくんも一緒に乗ろうよ!」  双子の言葉に少し驚いた。  そんなことを言うとは思わなかった。  だがこの二人と一緒に乗るのは、会計が辛いんじゃないか?  会計も同様に驚いたようだが、少しして何かを覚ったような顔をした。  そしてにやりとでも表現できそうな顔で、すぐに双子に返事をした。 「いいよー」  双子が会計と乗りたいと言ったことには驚いたが、会計がそれを了承したことにはもっと驚いた。  だが、先程の会計の意味ありげな表情についても気になる。  一体何を覚ったのだろうか。 「じゃあ決まりだね!」 「早速行ってみよう!」  そうしてまた、双子に手をぐいぐいと引っ張られる。  もやもやとした思いを抱いたまま、俺は観覧車に向かうのだった。 「じゃあ僕達先に乗るね!」  そう言って3人で乗り込んで行った。  このまま乗らずに外で待っていようかと思ったが、どっちみち後で無理矢理にでも乗せられそうだったので大人しく乗ることにした。 「観覧車なんて、何年ぶりだろうな。」  思い出すのは小さな頃の記憶。  まだあの人が生きていた頃、家族で一緒に来た記憶。  その後も、家から抜け出して侑李と、たまに兄と遊んだことはあるけれど、あの時が一番楽しかった。 「葵は、観覧車乗ったことある?」  向かいに座っている葵に問いかける。 「ない……かな。」  予想通りだ。  葵が嬉々と観覧車に乗ってるとこなんて想像できないしな。今は乗ってるけど。  それでも表情は部屋にいる時と変わらないし。  僅かに揺れながら上昇していくゴンドラの中から、周囲を見回した。  遊園地のアトラクションが段々小さくなって行く。  少し上を見上げれば、先に乗った双子がはしゃいでいるのが見えた。
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