宇宙人襲来

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 *  昨晩のこと。  ────ピーンポーン  ちょうど風呂から上がった時にチャイムが鳴った。現在の時刻は午後10時半。  この寮には、特に何時以降は他の部屋に行ってはいけないなどという規則はない。だから泊まっても怒られたりはしない。  しかし、この時間に許可なく押し掛けて来るのはいくら何でも非常識だろう。  ということで無視。  ────ガチャ  ん?扉が開いた音がした?  今この部屋にいるのは俺だけ。葵は外出中だから鍵を開けられるのも俺だけ。葵はどうせ喧嘩でもしてんだろう。帰って来るならもう少し遅いはずだ。そもそも葵はチャイムを鳴らさない。  それなら一体誰なのか。  あ、一人いたな。俺の部屋を勝手に開けられる奴が。おそらくそいつで決定だろう。 「帰れ不法侵入者。」 「ちゃんとチャイム鳴らしたし。」 「来て欲しくないから出なかったんだよ。」 「態々危険をおかしてまで来たんだから入れろよ。」 「危険をおかすくらいなら来るなよ。」  何故一般寮に来たんだ。料理なら昨日渡したばっかだろうが。  ここに来てることバレたら危ないんだよ。俺が。  仮にも抱きたいランキング一位の生徒会副会長なんだから。潔癖って設定なんだろ?  侑李は表の顔しか知らない学園の生徒たちには、女王様だの高嶺の花だの言われている。  このことについて批判が来るなら多分俺に来るだろう。  俺は所詮一般生徒だ。(某ランキングには参加していない。理事長に出たくないって頼んだら簡単にOKしてもらえたので。)  一応表向きでは幼馴染みとは言っていないものの、友達としている。  なので大方大丈夫だろうと思ってはいるが、まだ勘違いしている奴が一定数いる。  蘭も確実に絡んでいると思われる。  だから帰って欲しいんだけど、今更な気がしなくもない。 「お前風呂上がり?」 「そうだけど。」 「絶対その格好で人前に出るなよ。」 「出たくないからドア開けなかったんだよ。」 「じゃあ俺が嫌だった訳ではないってことか?」 「その理由が占める割合のがはるかに大きいわ馬鹿が。」 「学年次席に向かって馬鹿はないだろ。」 「首席に向かって何言ってやがる馬鹿侑李が。」  風呂上がりなので今の格好は当然、完全に変装を解いている。  これを他の生徒に見られたらかなりヤバい。  それにこんな時間に押し掛けて来るなんて録な奴がいない。  よって俺は正しい。
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