「ありがと」

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メデューサの消滅を確認した僕は、そのまま地面にうずくまっている彼女の身を起こした。 けれど、彼女は気絶をしているようで、一向に目が覚めなかった。 そして。 「なんだあいつ!顔がないぞ!」 街の住民たちも僕を見ても、影に引き込まれなくなっていた。 それが何を表しているのか、なんとなく僕には分かっていた。 身体を起こした彼女を僕は丁寧に抱き上げて、一番先頭にいた男性に近付く。 「お、おい。あんた、石化が……」 彼は逃げずにそう言った。 けど、止まらないものはどうしようもない。 身体は次第に重くなって、僕自身の力ももう機能していないのだ。 だから僕は彼女を彼に預けて、一礼した。 その時に、最後に僕は一つだけ。 「…………」 彼女の耳元で囁いた。
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