4人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日、僕は昨日の事を思い出して街に行くのをためらった。もしもあの時、隠れなかったらどうなっていたかと考えると、僕は怖くて動けなかった。寝ることすら出来なかった。夜は孤独を増長させて、人の暖かみを知ってしまった僕にとって、それは耐え難いものになっていた。
なのに。
「それじゃあまたね!」
そう言ってくれた彼女の姿が、笑顔が。脳裏によぎる。
初めて僕に触れ合ってくれた一人と一匹。
もしも、彼女らが石化してしまったら。
そう考えた僕は、無意識に被り物を取っていた。
彼女たちが石になったら。
そっちの方が、怖かった。
最初のコメントを投稿しよう!