「ありがと」

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リスの被り物を被った僕は、いつも通り公園へと向かった。 その時、昨日の道は人だかりが出来ていて、あの事件の事を思い出して、今日は違う道を通った。 そして、やってきた公園にも誰も居なかった。昨日の今日だから仕方がないと言えばそうなのだろう。けど、なんだか凄く寂しく思えた。 「今日は……リスね」 その声が響くと共に横に座り込んできた彼女、しかし、黒猫は居ないようだった。 「ねぇ、被り物の人」 そして、切羽詰まったような声で話す彼女。その様子がおかしく見えて、ふと彼女の表情を見た。 怯えているような、そんな表情をしていた。 そして。 「貴方がそんな事をするとは思えない。だから、逃げてちょうだい。お願い」 身体を小刻みに震わせて、彼女が僕にそう言った。
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