4人が本棚に入れています
本棚に追加
その瞬間に周囲から放たれた網が、彼女ごと僕を包んだ。そして現れた街の住民たち。
「昨日!私見たのよ!現場にあの男がいたのを!」
その言葉を聞いて、僕はようやく理解した。
人と化け物はやっていけないんだって。
網の中に入れられた僕。そのまま僕は枷で手足を縛られて、彼女は何とか救助してもらえた。
そして広場の中心に放り出された僕に対して、街の住民たちは石を投げつけた。罵詈雑言を浴びせた。化け物に相応の仕打ちを行なった。
止まらない痛み、心も体も痛い。辛い。
死ぬかもしれない。
でも僕は人間を嫌いになれなかった。
だって僕は、人間が好きだから。
「待って!待ってちょうだい!」
だって彼女が、人間なんだから。
最初のコメントを投稿しよう!