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マイクに手を引かれながらロビーへと降りる
そこには私たちを除いて8人の人がいた。
雰囲気はとても、ピリピリしている
マイク「皆、すまなかった。連れてきたからこれで議論を開始って事でいいよな?」
アンナ「おはよう、皆さん。人狼を早く見つけるために頑張ります」
服の袖を強く握りしめて、震えをなんとかとめる
マイク「そうだな。そして帰る、そうだよなアンナ。」
いつもはバカなくせに不安に思っている私の隣に立つマイクが今はとても頼りにできる
マイク「ま、そういうことだから議論始めようぜ。外は吹雪で出られない、なら人狼を全員吊って生き残るんだ。」
その殺気すら感じられる発言に震えが走る
アーニー「ねぇ、議論するんだよね?どうするんです?」
アンナ「誰か司会でもいるのかしら?」
皆が口々にざわめく。
「では話がまとまったようですので説明をさせていただきます。GMとお呼びください。
配役は皆さんにお配りしていますので、それをご参考に。
10名の中に狼が二人います、狼を全員処刑できれば市民陣営の勝利となります。
処刑、投票は全て私が 務めさせていただきますので、ご了承ください。
GM「では今から配役確認の時間をとります。はじめてください。」
その言葉に驚きつつ自分に配られたであろうカードをめくる
(あ、ああ。そんな)
声と顔に出さないように何とか抑える
私は持っているカードを握りしめた。
10人という少ない数なら普通に生存だってできるはず。
マイク「なあアンナ。大丈夫か?顔色が悪いぞ?」
顔を覗きこんできていたマイクに驚く
アンナ「うわ、なに見てんのよ!」
そのまま少しだけ距離をおいた
(ボーッとしすぎるなんて、もう)
自分の間抜けさにため息が出そうになる
マイク「おいおい怒るなって。心配してやったっつうのに」
マイクの言うとおりだった
アンナ「驚かさないで、体調は悪くないわ」
流石に心配してもらったのに無視するのは悪い気がして答えた
マイク「そうか…。ならよかった。」
マイクの笑顔が見えた
(ああ、ずっとこのままがいいのに)
私はこの気持ちを隠そう。
きっと彼は笑うだろうから
GM「では確認をとれたと思いますので、議論を始めてください。」
おそろしい疑い合いが始まる
(私は生き残って大切な彼に必ず伝える)
そう決めた
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