第5章:ハーケンクロイツ

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『そうなんだ、俺も気づかなかったんだけど、遥ちゃんが言うにはドイツのエルマ・ヘス副総統、クラーラ・ヒムラー親衛隊全国指導者、イリーネ・ゲッペルス国民啓蒙・宣伝大臣とイタリアのサブリーナ・ムッソリーニ首相がハーケンクロイツのメンバーだったということだ。この4人は知ってのとおり俺らと同じくらいの年齢で全員女なんだが、遥ちゃんの記憶だと彼女たちは本来の歴史では4人とも男だったそうなんだ。彼女達はタイムスリップ前は日本の名前だったそうなんだけど、こっちにきてドイツやイタリアの名前を名乗るようになったんだと。ちなみに遥ちゃんもアイザックと藤井がタイムトラベラーだということには気づかなかったと言っていた。あと、これはまぁ、あんまり関係ないんだが、ハーケンクロイツのメンバーは全員女だったらしい。俺らよくボコボコにされてたよな。』 運営の人は他にもタイムトラベラーがいることは一言も言ってなかった。俺らも確かに聞いていなかった訳だから嘘をついているわけではないのだが、重要なことなので説明して欲しかったな。最初に運営から説明があってから一度も連絡はないし、他にもタイムトラベラーがいるのか質問するのは難しそうだな。 『なんか、ごちゃごちゃしてきましたね。えっと、つまりハーケンクロイツのメンバーもこっちにタイムスリップして、お互い認識を操作されてたってことなんですかね。』 と、翔がまとめたつもりだけど、小川先輩が言ってたことをほとんどそのまま繰り返しただけだった。 『それで、遥さんはハーケンクロイツのメンバーとは連絡はしているんですか?』 もしかしたら遥さん経由でドイツのメンバーと連絡が取れるかもしれないので聞いてみた。     
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