第5章:ハーケンクロイツ

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結婚はするみたいだな。良かった。これで気持ちが変わって婚約破棄ということにでもなったら、とち狂った小川先輩がドイツにでも攻めていきかねないからな。 『結婚式には3人で出席するので、日取りが決まったら教えてください。それと、実は僕も今日入籍しまして、結婚式の日程はこれから決めるのですが、もし都合が会えばお二人も来てもらえると嬉しいです。』 本音では可能な限りは大袈裟にしたくないので、小川先輩に来てほしくないのだが、話の流れから言ってこう言っておくしかなかった。 『おう!絶対行くわ!前から話してた楓ちゃんだっけ?』 やっぱり来るよな…。本当に来なくて良いんだが…。 『ありがとうございます。そうです、金曜にプロポーズをして、日曜に両親に挨拶に行って、さっき婚姻届を提出しました。』 『はやっ!おまえそんなに行動力あったっけ?』 『いえ、今回は元々陸軍の将軍お嬢さんなので、事前に話はしていたから、もう事務的に話が進みました。』 『楓って、もしかして木村陸将のお嬢さんの木村楓ですか?』 『そうですけど、遥さんの知り合いでしたか?』 『はい!よく知ってますよ!楓は同じ学校の同じクラスで、こっちに来てからの初めての友達なんですよ!よく園田さんは凄いって話しを聞かされてたんですけど、まさか結婚するとは思いませんでした。木村陸将からお見合いの話があったんですか?』     
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