第5章:ハーケンクロイツ

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もう一口みそ汁を飲んでから、メインの焼き魚(ニシン)を食べた。 「これは、糠ニシンですね!大好物なんですよ!一切れでどんぶり3杯食べたことがあります!」 「この糠にしんは実家の建物があった近くの商店街に、新鮮でとっても美味しい魚屋さんがあったので、ここに来る途中で兄に寄ってもらって買ってきました。そんなに喜んでもらえるなんてニシンも喜んでますよきっと。」  楓さんなりの冗談だったのか、自分で言ってから一人で笑っている。冗談自体はおもしろくはなかったが、そんな楓さんを見てホッコリしてしまい、釣られて俺も笑った。しかし、この時代の人は笑いのレベルが低い気がする。テレビが普及していない時代なので、バラエティー番組やお笑い芸人等を見る機会もないから仕方ないかもしれないが、冗談なのか本気なのか分からないことが度々あるので、少し困っている。政府主催で賞金を出して漫才コンテストでも開催するようになったら、日本のお笑いのレベルのも引上げられるかもしれないな。よし、次の閣議で提案してみよう。 「この白菜の漬物は母方のおばあちゃんが漬けて持たせてくれたんですよ、美味しいので是非食べてみてください。」     
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