第5章:ハーケンクロイツ

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「俺の収入は大きく分けて4つあります。1つ目は陸軍大臣の俸給が月額600円、賞与等も入れると年収で約9,000円位あります。2つ目は昨日行った料亭のような俺が直接経営する事業、経営する事業は飲食店が料亭をはじめ、ハンバーガーショップと洋菓子屋、カフェ、牛丼屋の4店舗、学習塾が1教室、英会話教室が1教室で、飲食と教育で合計6店舗を経営しています。今のところ全ての事業でなんとか黒字という状況です。利益はほとんど再投資に回しているので実際に手元に入ってくる収入は今のところありません。3つ目は株や債券の配当収入。これは複数の企業の配当日がそれぞれ違うので年に数回配当がありまして、企業の業績に応じて毎年入る金額が変動します。この株や債券の配当についても得た利益を再投資に回してます。4つ目は収益不動産からの賃料収入です。この賃料収入については固定資産税等の不動産の維持費を差し引いて、残った分は株や債券 の購入に充てています。なので、家計に繰り入れ可能な収入は陸軍大臣の俸給だけになるので、なるべくこの範囲内で生活するようにしていました。」 予め説明用に用意しておいた収入の大まかな項目一覧を見せながら説明していく。 「次に支出です。ここの家賃と光熱費は基本的に俺は負担していないので、支出はありません。これから引っ越す官舎についても同様です。なので、毎月かかっている費用は食費と交際費、日用品費がメインです。交際費については内閣総理大臣や陸軍大臣としての会食等は国庫から支払われるので、俺の個人的な付き合いのものだけになりますね。個人的な付き合いの交際費についても事業に関するものは、事業収入の中から経費として支払っています。」 「はい。だいたい分かりました。」 「そこで、今日から楓さんにはうちの家計の部分の管理を、お任せしたいと思います。いいですか?」 「はい!頑張ります!」 「ちなみに現在の預金についてはこれです。通帳の内容を確認してください。」 預金通帳3冊と銀行印を楓さんに渡した。     
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