第5章:ハーケンクロイツ

81/91
前へ
/541ページ
次へ
「落ち着いてください。楓さんが言う遥さんというのは、近衛元総理の三女の近衛遥さんのことですよね?会ったことはありますが、この話は遥さんから聞いた訳ではありませんよ。」 「まさか・・・。誠司も未来から?」 いつの間にか楓さんが敬語じゃなくなっているが、こっちが楓さんの素なのかもしれない。 「はい。B.O.E.Lで遊んでいて、タイムスリップしました。楓さんと同じだと思います。」 「まさか、なんで!?だって、未来から来たなら私が気づかないわけないじゃない。」 「今日分かったことなんですけど、僕らのチームも楓さんたちのチームもお互いに、違和感がないように認識を操作されているようです。俺もまさか楓さんまでハーケンクロイツのメンバーだとは少しも思ってなかったですよ。遥さんから今日楓さんと友達だってことは聞いていましたけど、楓さんも未来人だということについては、一言も言ってませんでしたから。」 「なるほど、あの子は敢えて誠司に楓もタイムスリップしてきたことを隠して、私が驚くことを想像して一人で喜んでいたんだと思う。そういう子なの遥は。明日、ダイレクトメッセージで文句を言っておかないと・・・。」 それから、楓さんに今日のグループチャットのやり取りを説明して、とりあえずは落ち着いたようだ。 「それにしても、楓さんキャラ変わってませんか?」     
/541ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加