第5章:ハーケンクロイツ

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「今までは誠司の前だから猫を被っていたの。家族の前でも猫を被ってたけど、もう誠司には隠しても仕方ないから二人のときはこのままいくよ・・・。あぁ、楓の憧れの人がまさか同じ未来人だったなんて・・・。」 「失望しました?」 俺は楓さんが未来人だと分かっても全く気持ちが変わっていないが、楓さんは違うかもしれないと考えたら胸が苦しくなった。 「いいえ、誠司のことが好きな気持ちは変わらないよ。むしろ知る前より好きになったかもしれない。誠司に楓のことを秘密にしていた後ろめたい気持ちがなくなってホッとしてる。それに、お父さんにもお母さんにも、お兄ちゃんにも言えなかったことを、ちゃんと分かってくれるる人がいるのが一番近くにいてくれるのが凄く嬉しい。」 あぁ、良かった。せっかく好きになって結婚した人、から結婚初日に嫌われるなんてことになったら1年は立ち直れないところだった。 「俺も楓さんに打ち明けようかずっと悩んでいたので、お互い未来人だってことが分かって、なんか安心しました。」 「楓も誠司に嫌われたかと思って、ドキドキしたよ。ちなみに元の時代のときの名前は三井楓、そして今の名前は園田楓です。今日から誠司のお嫁さんになりました!これからよろしくね、誠司!」 楓さんが俺の腕に抱きついてきた。全然今までのキャラと違うけど、まあ可愛いから良いかな?どっちも根本的には楓さんであることは変わらないし。     
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