第6章:The End of New York City

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 また、今回は貴族院を廃止したのが、改革の目玉の一つだ。これまでの帝国議会は公選の衆議院と、非公選の貴族院からなる二院制で構成していたが、今回は貴族院を廃止して一院制に変更したのである。貴族院は非公選の皇族議員・華族議員・勅任議員によって構成され、多くの議員は終身任期という、大日本帝国における特権階級と言えるような制度であり、今後は世論の非難の対象になることが予想されるので早いうちに手を打った形になった。貴族院を参議院に変更して、元の時代と同様に二院制を採用すると、参議院には衆議院が暴走しないように監視する役目等のメリットはあるものの、本当に必要な法案を通すためにも時間を要するため、迅速で小回りが利く対応ができなくなるので、今後は衆議院のことを帝国議会と改めた。また、同時に複数政党制も廃止し、法が認めるのは保守党と共和党の二大政党制のみとし、帝国議会議員は二大政党の何れかの政党に所属するか 、無所属とする旨、大日本帝国憲法に明記した。ちなみに今回廃止となった貴族院議員は、裕福な議員しかいなかったため、今後の生活の保障等は一切行う予定はない。また、議会制度の変更に伴い、衆議院選挙法を撤廃し、新たに帝国議会選挙法を制定した。概ね元の時代の公職選挙法と似た構成となっており、小選挙区比例代表並立制を採用した。大きく違うところは選挙活動の規制を強化した点だ。まずは、選挙期間外の候補者や現職議員のポスター掲示の禁止。これは元の時代であちこちに政治家のポスターが貼っており、街の景観を概していたため規制した。例えば京都等の歴史的建造物が建ち並ぶ街並みに『衆議院議員 園田誠司』と顔をデカデカと写した目立つポスターが貼ってあるのを見ると、わざわざ遠くから観光に来た観光客も残念な気持ちになるだろう。そして、選挙期間中の有無を問わず、選挙カーでの街宣を禁止した。これは、言うまでもなく騒音も酷     
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