第6章:The End of New York City

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 国民には選挙権があるのと同時に、政治家を選ぶのは国民の責任でもあるのだ。俺の個人的な考えとしては、投票を義務とし、しない場合は何らかのペナルティを与え、自分が選んだ政治家が不祥事を起こした場合はその政治家だけではなく、投票者にも何かしらのペナルティを与えるようにしたら、もっと真剣に誰に投票するか考えるようになると思うのだが、流石にこれは国民の支持を得るのは難しく、現実的ではないので閣議でも提案していない。なお、新制度での最初の選挙は今年の夏を予定しているが、ご老人達は適性検査と健康診断の結果を公表したくないものばかりだろうから、ほとんどのご老人は引退して、議会にも新しい風が吹くようになるであろう。選挙制度を変えたところで、今のところはほとんどの重要事項については閣議で決定しているため、議会はあまり機能していないのだが、世界情勢が落ち着いて国内の改革も一巡し終わったら、徐々に権限を議会に移 譲していく予定だ。  もう一つの目玉は地方自治法の制定である。現行の府県制、市制、町村制等を廃止し、史実では戦後に日本国憲法と共に制定された地方自治法をこのタイミングで制定した。現代の地方自治法とは概ね同じ内容となっているが、政令指定都市の市長については県知事が兼任することになっている。これは道府県知事の政策に政令指定都市が反発した際に、道府県としての一貫性を欠くことにより、非合理的な地方自治を招き、公共の利益を損なう可能性があるからだ。また、首都特別法を別途制定し、東京都は元の時代と同様に23区に区分けしたうえで、この23区については地方自治法の対象から除外し、23区は自治体としての法人格を失い、知事は置かず、都議会も区議会も廃止、都政、区政については総務省が直接管轄することになった。今後の東京都の運営については総務省東京都管理局が新たに立ち上げられ、実質東京都管理局の局長が、都知事としての役割を担うことに     
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