第1章:第二次世界大戦の始まり

33/48
前へ
/541ページ
次へ
『みんなも聞いてると思うんだけど、俺達ってもう元の世界には帰れないんだよな?ってことはさ、俺はもう日本人には戻れなくて死ぬまでロシア人な訳だよな。藤井とアイザックも一生ドイツ人ってことだ。そして、俺達の今の立場ってそれぞれの国のトップってことだからさ、何千万、何億人って国民のために嫌でも動かなきゃいけない責任があると思うんだ。だから、確かに俺らは仲間だし、今後も協力していくことは変わらないけど、みんな自分の国の利益を最優先に行動を決めていかないか?俺なんかさ、今こうして日本語を話してるけど、鏡で自分の姿見たら歳は日本にいた頃と同じ20歳くらいなんだけど、あきらかに白人になってて、自然にロシア語で話してるし、なんかもう意味わからないかもしれんけどロシア人なんだわ。だから、最低限俺らの間では戦争しない、足の引っ張り合いはしないってことだけ決めて、あとはガチな外交交渉ということにしたいけど、どう だろ?』 小川先輩の言うことは確かに正論で同意できるのだけど、なんだろう若干考え方とか雰囲気が変わっている気がする。見た目がロシア人になったというのが性格にも影響を与えているのだろうか。 『そうだな、確かに小川の言うとおりだな、俺も鏡見たら白人になってるし、自然とドイツ語で話してたわ。俺は小川の意見に賛成だけど、総統もそれでいい?』 『あっ、総統って僕?僕は死ななきゃOKだからそういうのは藤井先輩に任せるよ。マインヒューラーっていうのはカッコイイから続けてね』 ずいぶん軽いヒトラーだなおい。 『わかりました。誠司と翔もそれでいい?』 『いいよ』『うん、俺も大丈夫』 俺と翔はほぼノータイムで同時に承諾した。このメンバーの中でも俺達3人は特に気が合って、よく3人だけで遊んだりもしているし、信頼関係はまったく問題ない。 『それじゃあ、小川先輩、後ほど日本とソ連で直接交渉したいことがあるので、よろしくお願いします。』 『了解』     
/541ページ

最初のコメントを投稿しよう!

283人が本棚に入れています
本棚に追加