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付き合ってから二週間ぐらい経った週末、ユカが初めて家に遊びに来た。
今日は泊まってくれるという言葉に緊張が高まる……が、焦って関係を迫らないという考えは変わっていない。
……もちろん男のたしなみとしてそういう用意はしているけど……ユカが俺の事を本当に好きになってくれるまでは……。
「自分から避けてるんじゃないん?」
座って何気ない話をしていた時だった。
突然ユカが口をつぐんだかと思うと……目から涙を零した。
「え…あれ?なんでだろ?ご…ごめん……これは……」
思わずユカを抱き締めていた。
……ユカの心にはまだ別の誰かがいるのかもしれない。
彼氏なんてずっといない、と前は言ってたけど……それはもしかして元彼が忘れられなかったということなのかも……?
……それがなんだ。
今は俺がユカの彼氏だ。
ユカが俺を選んでくれたんだから……ちゃんと好きになってくれるのを待とう。
……と、決めたものの……
ユカがお風呂に入って1人になると、抱き締めた時の感触をありありと思い出した。
……はぁ、小さくて色々柔らかった。
それにいい匂いしたな……香水とかじゃないのに不思議なんだよな。
これで寝る時も一緒とか拷問だよなぁ……。
……俺は改めて決意を固め、ユカがゆっくりお風呂に入ってるのをいいことに
トイレの中でユカを思い出しながら……
我慢する為の下準備(笑)にいそしんだのだった。
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