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ある日いつものようにチェックをしている時に、ボールペンが出なくなってしまった。
「はい、どうぞ」
可愛いキャラのボールペン。
某有名テーマパークのやつだ。
「すみません、ありがとうございます。好きなんですか?」
「うん!この間行った時に買ったのー♪」
ドキッ
「…彼氏さんと?」
「えっ!?違う違う!彼氏なんてもう何年もいないもん!」
顔を赤らめて否定する山辺さんに、心からホッとした。
でも、こんなに可愛いのに何年も…!?
この会社のヤツ、バカか!?
目節穴か!?
「蜂谷くんも彼女と行ったりするの?」
「えっいやいや!僕だって何年も彼女いませんよ!」
「えー本当?蜂谷くん、仔犬っぽい可愛い彼女がいそうなのにー」
なんで仔犬?
そして俺のアピールは届いたのかどうか……いつも通りの笑顔。
……でも、彼氏がいないなら押していってもいいんだろうか?
山辺さんはいつも可愛く笑いかけてくれて沢山話しかけてくれて……正直勘違いしてしまいそうになる時もある。
……ということは、同じような勘違いヤローがいつ現れてもおかしくない訳で。
そう考えると居ても立っても居られなくて……。
……来てしまった。
営業先を全部回って後は会社に帰るだけ。
ちょうど山辺さんもそろそろ定時だ。
運が良かったら会えるかも…。
それか、一目見るだけでも…!!
……ここにストーカーが誕生した。
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