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「山辺さん?」
会社から出てきた山辺さんを見つけて声をかけると、いつもの元気がない…。
気になる…でも聞いてみていいのか分からないし…。
ここで会えたのも運命だと思い、思い切って送らせてもらえないかと申し出た。
車の中では、いつもより近い距離に緊張して思わず顔が強張る。
隣では……なんか、チラチラ見られてる?
山辺さんの方を見ると目が合って、ぎこちなく笑い合う。
……ヤバい。幸せだ。
しかし、幸せな時間はあっという間に終わってしまう。
家の前で山辺さんのお母さんに遭遇して、そのままうやむやに別れてしまった。
……もっとちゃんとお母さんに挨拶した方が良かったか?
でも、彼氏でもないのに逆に図々しいか……。
家に帰っても悶々としていた。
連絡先さえ知らない。
声を聴くことも出来ない。
それからの一ヶ月は鬼の様に長く感じた……。
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